NPO法人 日本卵殻膜推進協会

卵殻膜に関する研究発表

可溶性卵殻膜入り化粧品のヒト皮膚への効果

第109回日本皮膚科学会総会
会期:2010年4月16日~18日
会場:大阪国際会議場
藤田恵理1)、田中浩仁1)、高橋笑1)、跡見友章2)、横澤喜久子3)、長谷部由紀夫4)、跡見順子5)
(東京大学大学院情報理工学研究科1)、首都大学東京大学院人間健康科学2)、東京女子大学文理化3)、株式会社アルマード4)、東京大学アイソトープ総合センター5))

鶏の卵殻膜(卵殻内側の薄い二重膜)は、日本・中国において火傷や切り傷などの外傷の治療に用いられてきた。アルカリ加水分解で可溶化された卵殻膜が開発され、化粧品やサプリメントの素材として利用されている。本研究では、加水分解卵殻膜入り化粧品の塗布が女性の肌の水分や弾力性に与える効果を30人のボランティアの女性(年齢20才~65才)を対象に研究した。被験者は前腕と上腕に1日2回12週間、化粧水とクリーム(卵殻膜群は1%加水分解卵殻膜入り、対照群は加水分解卵殻膜なしで各々15名)を塗布した。
化粧品塗布部位の水分は卵殻膜群・対照群とも塗布前と比べて有意に増加し、その増加は実験群の方が大きかった。弾力性は卵殻膜群で有意な増加が確認された。加水分解卵殻膜上のヒト線維芽細胞は、ヒアルロン酸合成酵素2遺伝子発現を容量依存的に増加するin vitro実験結果から、卵殻膜成分の皮膚状態改善機能の存在が示唆された。